夢と魔法と林檎の虜

ウォルト・ディズニーの夢と魔法、スティーブ・ジョブズが作り上げたアップル製品に魅せられたプログラマーのブログ

iPhoneが売れると貿易赤字で困ると言うけど、それって自業自得なんじゃね?と思ったので感想を書いてみた

ITMediaの以下ニュース記事を読んだ感想を書いてみます。

貿易赤字を“直撃”する「iPhone人気」……エネルギーに代わる“赤字戦犯”に、消費増税判断まで左右か (1/3) - ITmedia ニュース

感想

iPhoneが売れると政府は困るのだそうですが、それって自業自得の結果ではないかと思ってしまいました。

以下に、私がそう思うに至った過程を示します。要約すると、ガラパゴス化したケータイ業界を放っておいたトノサマガエルの怠慢を指摘したものです。ご興味があれば続きをお読みください。

オタマジャクシから蛙へ

日本のケータイは、i-modeの登場をキッカケに飛躍的に付加価値を向上させ、これ以降様々なサービスが登場したと思っています。

ケータイ市場が膨らむにつれて、平行開発が加速し、開発の現場は地獄絵図のようになっていました。

ケータイの開発には膨大な開発費が掛かりましたが、通信キャリアがその開発費の一部を負担することで、平行開発が可能になっていました。また販売においても、通信キャリアが相当数のケータイを一括買い上げしていたので、メーカーとしては大量生産が可能となり製造コストを安く済ませられていました。

通信キャリアとしては常に新しいケータイが必要、メーカーは売れる製品を安定して開発・製造出来るメリットという、素晴らしいパートナーの関係にありました。

井の中の蛙

ケータイの新機種発売が四半期ごとから半期ごとに変更された辺りから、いよいよケータイ市場は成熟期に突入します。

ケータイは高機能化し、サービスの高付加価値化で勝負するようになりました。また、機能やサービスを絞って簡単に操作出来るようにしたシンプルなケータイも登場します。

ケータイに求められるものが大きく変わっても、通信キャリアとメーカーの共依存関係は変わりませんでした。変わる必要がなかったのです。

この時期には、海外メーカー製のケータイも少量流通していましたが、国内メーカーの優位は揺るがなかったからです。しかし、世界的には、ケータイを取り巻く環境は刻一刻と変化していたのです。

茹でガエル

様々な海外メーカー製のケータイを駆逐してきた日本のケータイ市場に、林檎マークの旗を掲げた黒船がやってきました。

彼らのケータイには、日本のケータイには当たり前にあった無数のボタンがありませんでした。最初に食いついたのは、いわゆる新しいもの好きの人々でしたが、それだけでは説明がつかない程に愛用者が増えていったのです。

これには通信キャリアが黙っている筈がなく、すぐに国内メーカーにも同じものを作らせました。しかし、国内メーカーには開発・製造のノウハウが全くありませんでしたから、大苦戦することになりました。

国内メーカーに頼れなくなった通信キャリアは、いよいよ黒船の要求を飲むことにしたのです。そのままでは、自分の身すら危ぶまれたからです。これは同時に、国内メーカーへの死の宣告となりました。

トノサマガエル

通信キャリアが沸かした湯に浸かっていた国内メーカーは、通信キャリアからの突然の冷や水に驚き、同時に目が覚めました。そして、自分たちにはガラパゴス化したケータイしか武器が無いこと、海外ではそれは武器にすらならないことも悟ったのです。次第に国内メーカーは弱っていきました。

しかし、ぬるま湯に浸かっていたのは国内メーカーだけではありませんでした。トノサマガエルが沸かした湯に通信キャリアも浸かっていたのです。トノサマガエルは、またの名をソームショウと言いました。

トノサマガエルは、ケータイ料金が高止まりしているのは、高額なキャッシュバックSIMロックが原因だと考えて色々通信キャリアに注文をつけました。どうやら2015年度からは、SIMロックの解除は義務になるようです。

自業自得

さて、なぜ貿易赤字が自業自得なのでしょうか。私はこう考えます。

ケータイ市場が成熟期に入った段階で、トノサマガエルは、通信キャリアに対して冷や水を浴びせる必要がありました。冷や水には2つあります。

1つは、通信キャリアによる開発費の負担や製品の一括買い上げの廃止です。これは、一時的には国内メーカーも痛手を被ることになりますが、製品やサービスの独自性が生まれたり、ライバルメーカーよりも魅力的な製品を開発しようとする危機感のような意欲が掻き立てられると思うからです。

もう1つは、SIMロックフリー端末の義務化です。これは、SIMロック解除の義務化とは違います。そもそも最初からSIMロックを掛けずに発売するのです。

この2つの冷や水により、通信キャリアは飼い犬だった国内メーカーを飼い続けられなくなる上、思い通りのケータイを作られなくなります。また、通信可能なエリアや品質によってユーザーも離れていきやすくなるので、料金競争やインフラ整備が最重要課題になってきます。

一方、国内メーカーにも冷や水は及びます。冷や水により国内メーカーは通信キャリアから解放されて、SIMロックフリー端末を武器に海外への製品輸出を考えられるようになったはずです。海外の人にも受け入れられる製品を作るには、機能もさることながら見た目のデザインもとても大事になってきます。

あとがき

日本は島国なので、どうしてもビジネスが閉鎖的になり、井の中の蛙になりやすいのです。そして、井の中だと思っていた水はやがて熱湯となり、気付いた時には脱出すら出来ずに沈んで行きます。

トノサマガエルが、判断の時期と方法を誤らなければ、今日の貿易赤字は無かったかもしれません。そして林檎マークの超巨大企業のライバルは、日本国内のメーカーだったかもしれませんし、林檎のマークの会社は虫の息だったかもしれません。

やや昔話的な感じになってしまいましたが、様々な教訓が込められているなと感じたので記事にしてみました。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。